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La vie / TESIO exhibition of two artists
ガラスアーティストである、Sayaka Araiと共同で構成した展示である。
「見えないものの存在」を作品を通して表出させることで、今まで見てきた風景に変化を与えることはできないだろうか。
展示会場のある沖縄市コザゲート通りは、多様性に富んだ人種、文化、世代、歴史などと共存してきた個性的な場所であり、そのような場所で「食べること」を生業にしている方々から様々な事柄を聞かせて頂く機会を得た。
多様性を受け入れる器を柔軟に持ち併せる術を身につけ、互いを対等に尊重しようとする逞しさを彼らから感じた。
彼らの見てきた風景をAM電波を利用し、電波の発信と受信のシステムを視覚化させることで、見えないものの存在として落とし込むこみ、浮き上がらせる。
AMトランスミッター(AM電波発信器)から彼らの語りが乗せられた電波は、ループアンテナで受信し、ゲルマニウムラジオで復調され音と振動として変換することで、電波という見えない存在を想像させる作品へと繋げた。
展示の同時企画として、纐纈あや監督のドキュメンタリー作品「ある精肉店のはなし」が展示会場からほど近いシアターにおいて上映された。 家族で育てた牛を自らの手で屠畜し、さらにそれを解体し販売する。内臓から血、皮まで余すことなく加工し、その命を大切にいただくプロセスは、「いのちを繋ぐこと」への視点として映った。だが作品はその先にもうひとつのある視点を用意してくれたことで、「見えないものの存在」の姿を私たちに想像させてくれた。
今回展示した映像作品「Ashley」はひとりの女性がある時代を生きた筆跡のようなものである。食べること、生きること、いのちを繋ぐこと、をテーマに生きていくことで出会う瞬間の感情にフォーカスした。Ashleyはヘブライ語で「内なる幸福」という意味を持つ。人が自由を求め、自由を選択していくプロセスを描いた。
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